詩境日乗

情想を気まぐれにつづります

2021/04-06 麗日

科斗紋様の幸先に 天の逆手を打つ囉斎
朝な朝な燃ゆ陽炎に 露ぞ淡紫に煌めけば
花人回首の東天へ 万朶の桜咲きすさぶ
雅ぶ蕊蕊呼び具して 花裏は沮洳なり夢見鳥
舞踏の日晷茫として 碧落を吹く春疾風
泡に溺ほる美丈夫は 神の下僕か兇手かや
牙蒼褪めて迷い眾 燕語嘩笑す色ふ春
故吾拙陋に咲殻を 食めど旧り行く疎眠る
斜め乱れて目も霧りて 靴蛮からに爪いぬる

2020/12 正月の歌

残響の空 呂色薙ぐ新し若日 欣幸の光の下
暁鼓どくりどくり 笑む安如 美を喰らうのか
錦絵の如 箱の中の宴 翻筋斗を打つ海老の茜
酔いは豪気に 毬の刺繍は精彩に こぼれゆく三箇日
空見ゆ二日 琥珀のまどろみ 丹紅の酒杯に淑気
騒擾のあと 倦む人の目ふたつ 鼾声は ほろ苦く協和
水に花を浮かべ祈る日日に 骨と肺だけになって息をつなぐ日日に 喜懼の声をあぐ
苦惨たる吾 日の丸を両目にあてがい 憂い顔 あかんべえ
坤輿に埋かる冀望 亜麻色に耀う 心こそかはらかに
涙欄干として 時代去んぬる時 花吹雪く三箇日
丑おどる年 吾が黒星に夢咲けり 斜陽射す三箇日

2020/12

全体的に、ちろちろとした世界に生まれてきて、日に日に老いてゆくばかりで、つまらなくて、自分に幻滅して、孤独でもあり、幸福でもあり、それなのに空虚で、泣いてばかりで。だから僕は、記憶を消して、薬を嚥んでから、飛行機に乗って、詩集を抱いたまま死にたい。

2020/12 冬薔薇のうた

天窻より光受く愛の花
生かる姿は常少女
花裏に月白の魔を幽す
花のうてな願うように揺く
生やかなる棘の翠に
花びらの淡いゆがみに
わたしは触れたい
仄日に打たれ
枯れゆく花よ
暮れいそぐ日よ
君がため天鵞絨の葉に詩を刻む
まどろみは薔薇の花

2020/10/23

術の畢んぬ十二時半 埃がたまってゆくばかり
昇汞錠飲む白痾人 次こそは死ぬと覚悟して
乙う陽狂気取った子 御空の藍に咄と吐く
夜は黒鶴の如き暗 月を傷める娑婆の風
昇汞水中電波虫 今吾の眼晴に白星か
はて黒星か なあ波旬 罅隙の奥の疽が笑う
音痴 瞽人の歌は百合 白化悪魔に酒を沃る
地獄の底から朱鷺の群 世界は夢幻の朝朗
毒鼓鳴る鳴る舌を噛む 佯死でもよい陽を掴め

きっかけ

 記事というより小文学な表現をだんだん書けるようになりたいけど難しい。益々に、流れている感受性を言葉にどうにか表現したく思う心早まる

 

 若いので、頑張ろうと思っていて、しかし若いが表現を持つてる他を羨む日がある。言葉の奇術師なんかになりたい

 

ファンタジーな児童文学が好きで、その頃の読書は現実逃避も兼ねてたんでしょうが、知恵ですかね、何方かが言うに知恵をつける、足並みに手の裏を返し始める、様に見えました。二桁になっておもむろに意地悪い感じなんです。言葉とものを知らなかったので同級が不可解だった。それから恐怖からくる不安と怒りを連続していた。

 

 小説の歯痛についての記述が浮かんでくる、歯は心を表すのか。頭に根づき、形を持つ、形を変えない、かむ、時々ぐらつき、骨らしく、咀嚼し、いちおう清潔。今、歯牙という単語を見つけた。

 

 友人に一人友人以外に一人素直できれいな個人がいて、それ2つを目ざそうとしていた過去がある。時々黙っていた。

きれいなというのは細やかだったことで、気にしたり、目や耳を澄ましたり、の意識が少し鋭いようだった。精神の空間は水や空気に似ているから意識が別を切ることはないが、私たちの精神世界が本物の物質だったら大変痛いだろうと思った。

 鋭いと書いたけど金属には似てない。想像する精神の空間は何物も小さく流れている。それらが目の高さに浮かぶ、浮かんだ動きに対して感動する。(これは琴線、の一単語で完結することを分解している若しかして。よくできた単語です。じゃあ何だかんだ万人は心を震えのある空間だと捉えているんでしょうか。)

つまり波動が鋭いのです。鋭いというのは繊細に繋がると考えてます。

 

友人の方が近代純文学を与えた。言葉とものを知らないので殆ど流すように読んだ。ただばかでも確りした文章だ内向的だ苦しい深い驚いた複雑だという感覚は確かだった。語彙が豊富であることに、又単語が文章に調和していることに感動して、又これを上質に思って、少し旧い水沼に沈んだ。

直情なのかカムフラージュの直情か、とにかく不審な他がいた。直情の模型とする。直情の模型は直情であり、特徴的な等輩に矯正を強いた。その等輩と私は共通した特徴を持つ。直情の模型が目立たない場所で等輩を叱ることが不審だと感じた。友人は直情の個人へ傾いた。人の気分と云うものと、疎遠を知らなかった。

直情の模型が天性の直情径行だとしても必ず差別におびえる。私が思わずたじろぐ様子が馬鹿々々しかったか、と心中をさぐっていた時期を考えればじつは何も考えちゃ居ない人だったか知りません。