2022-08-31から1日間の記事一覧
殺人者なる緋に靡く 一角獣のすだく星燦たる星屑 薔薇星雲が 道化の我の痾 銜み吞む花心の蕊は 馥郁として 脳回を刺す 醇美の光輝クリプト幽人天文台 爛漫断頭舌を喰う 乱鴉劣後の松竹梅花人嗜癖の十三階段 悪魔の翅鞘は御空にはためき銀河は薔薇色狂い花
科斗紋様の幸先に 天の逆手を打つ囉斎 朝な朝な燃ゆ陽炎に 露ぞ淡紫に煌めけば 花人回首の東天へ 万朶の桜咲きすさぶ 雅ぶ蕊蕊呼び具して 花裏は沮洳なり夢見鳥 舞踏の日晷茫として 碧落を吹く春疾風 泡に溺ほる美丈夫は 神の下僕か兇手かや 牙蒼褪めて迷い…
残響の空 呂色薙ぐ新し若日 欣幸の光の下暁鼓どくりどくり 笑む安如 美を喰らうのか錦絵の如 箱の中の宴 翻筋斗を打つ海老の茜酔いは豪気に 毬の刺繍は精彩に こぼれゆく三箇日空見ゆ二日 琥珀のまどろみ 丹紅の酒杯に淑気騒擾のあと 倦む人の目ふたつ 鼾声…
全体的に、ちろちろとした世界に生まれてきて、日に日に老いてゆくばかりで、つまらなくて、自分に幻滅して、孤独でもあり、幸福でもあり、それなのに空虚で、泣いてばかりで。だから僕は、記憶を消して、薬を嚥んでから、飛行機に乗って、詩集を抱いたまま…
天窻より光受く愛の花生かる姿は常少女花裏に月白の魔を幽す花のうてな願うように揺く生やかなる棘の翠に花びらの淡いゆがみにわたしは触れたい仄日に打たれ枯れゆく花よ暮れいそぐ日よ君がため天鵞絨の葉に詩を刻むまどろみは薔薇の花
術の畢んぬ十二時半 埃がたまってゆくばかり 昇汞錠飲む白痾人 次こそは死ぬと覚悟して 乙う陽狂気取った子 御空の藍に咄と吐く 夜は黒鶴の如き暗 月を傷める娑婆の風 昇汞水中電波虫 今吾の眼晴に白星か はて黒星か なあ波旬 罅隙の奥の疽が笑う 音痴 瞽人…
波がくらうわだち 退嬰の乾杯 酒をのめ嫗おどれよ夢の恋 壺觴より鼾声だれだそこにいるのは 憂色かすかにからまわり 鏖殺せよ 長い首の花々がさざめくように