詩境日乗

情想を気まぐれにつづります

2021/04-06 麗日

科斗紋様の幸先に 天の逆手を打つ囉斎
朝な朝な燃ゆ陽炎に 露ぞ淡紫に煌めけば
花人回首の東天へ 万朶の桜咲きすさぶ
雅ぶ蕊蕊呼び具して 花裏は沮洳なり夢見鳥
舞踏の日晷茫として 碧落を吹く春疾風
泡に溺ほる美丈夫は 神の下僕か兇手かや
牙蒼褪めて迷い眾 燕語嘩笑す色ふ春
故吾拙陋に咲殻を 食めど旧り行く疎眠る
斜め乱れて目も霧りて 靴蛮からに爪いぬる